ファサード建築
江戸の日本橋が克明に描かれた絵巻物『熈代勝覧(きだいしょうらん)』。そのレプリカを三越前の地下コンコースに見ることができます 。透視図法がまだあまり知られていなかった時代にこうして延々と続く屋並みをどう描いたかというと、絵巻物だから見る者の視点がどんどんずれてゆく( ! )。いわゆるパースの消失点なんてものはあってないようなもので、あると言ってしまえば、無数にあるということになります。今のアイソメに近い表現になっており、いわゆる透視図法の何点消失法なんて知っていては絶対に描けない絵だと思います。今は当たり前のようにA3とかA4といった画角で街を描きがちですが、こんな描き方も検討したりすることがあります。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2009/1130/

かつての街並みは消滅してしまいましたが、東京の街のファサードは実に多種多様。イタリアン、自転車屋、お茶屋、神社、洋服屋、インドカレー、交番‥どこまでも、どこまでも違う顔が続いていく。その路面の顔だけを並べてゆくと世界屈指の多様性に富んだ風景だと思われてきます。墨田区の京島地区は空襲にも焼け残った地区が比較的多く残っており、雑多なファサードが幾重にも並んでいる街です。透視図法のことはすっかり忘れてファサードだけを描き取って並べてみる(上)。下は押上。スカイツリーの近く。

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